(併用に注意すること)
1. 薬剤名等ジギタリス製剤
ジゴキシン 等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
2. 薬剤名等カルシウム製剤
乳酸カルシウム
炭酸カルシウム 等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
3. 薬剤名等ビタミンD及びその誘導体
アルファカルシドール
カルシトリオール 等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
相加作用
4. 薬剤名等 PTH製剤
テリパラチド
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
相加作用
5. 薬剤名等マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム 等
臨床症状・措置方法
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
他のビタミンD誘導体と同様に腸管でのマグネシウムの吸収を促進させると考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験における安全性評価対象症例802例中309例(38.5%)で456件の副作用が認められた。主な副作用は、尿中カルシウム増加163件(20.3%)、血中カルシウム増加120件(15.0%注2))、血中尿酸増加(高尿酸血症を含む)15件(1.9%)及び高カルシウム血症12件(1.5%注3))等であった。(承認時)
重大な副作用
1. 高カルシウム血症
(1.5%注3))
血清カルシウム上昇作用による高カルシウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。また、高カルシウム血症に基づくと考えられる症状(けん怠感、いらいら感、嘔気、口渇感等)の発現に注意すること。
2. 急性腎不全
(頻度不明)
血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全があらわれることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 尿路結石
(0.9%)
尿路結石があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 消化器
2%未満
便秘、胃不快感、口渇、胃炎
2. 肝臓
2%未満
γ-GTP上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇
3. 腎臓
2%未満
クレアチニン上昇、BUN上昇、尿中血陽性、尿中蛋白陽性
4. 代謝
2%以上
尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%注2))
5. 代謝
2%未満
血中尿酸増加、Al-P上昇
6. 血液
2%未満
ヘモグロビン減少、白血球数減少、貧血、ヘマトクリット減少、赤血球数減少
7. 皮膚
2%未満
発疹、そう痒症
8. その他
2%未満
耳鳴、末梢性浮腫
注2)補正血清カルシウム値が10.4mg/dLを超え11.0mg/dL以下の場合を集計
注3)補正血清カルシウム値が11.0mg/dLを超える場合を高カルシウム血症として集計
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与中に妊娠が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。[ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(暴露量は臨床推奨用量での暴露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギでは外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。]
2.
授乳中の婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。]
3.
本剤の投与中止後の適切な避妊期間は明らかではない。
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
(1)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
(2)
瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。
その他の注意
ラット(SD)に2年間経口投与したがん原性試験において、副腎の褐色細胞腫、腎臓の尿細管腫瘍及び甲状腺のC細胞腫瘍の増加が、臨床推奨用量での暴露量の各々0.7、2.8及び7.0倍相当で認められている。これらの所見は血中カルシウム濃度の高値が長期間持続したことによると考えられた。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 健康成人
1) 単回投与1)
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、血清中エルデカルシトール濃度は投与後3.4±1.2hにCmax99.8±12.7pg/mLに達した後、t1/253.0±11.4hで消失した。AUClastは3,947±580pg・h/mLであった(Mean±SD,n=31)。
0.75μg単回経口投与時の健康成人男性における薬物濃度推移
2) 反復投与
健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μg