AUCinfの単独投与時に対する幾何平均比(90%信頼区間)は0.871(0.769~0.986)及び1.011(0.994~1.029)であった。健康成人男性(30例)にミチグリニド10mgを1日3回4日間食前反復投与及び本剤100mgを併用投与(ミチグリニド投与2日目に食前単回投与)したとき、イプラグリフロジンのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平均比(90%信頼区間)は0.946(0.896~0.999)及び1.004(0.982~1.026)であった21)。
(7) フロセミド(外国人データ)
健康成人男女(24例)に本剤150mgを1日1回5日間及びフロセミド40mgを1日1回7日間併用投与したとき、1日あたりの尿中ナトリウム排泄量のフロセミド単独投与時に対する幾何平均比(90%信頼区間)は、投与開始1日目では1.137(1.091~1.185)、投与開始5日目では0.993(0.926~1.065)であった。また、投与開始5日目のフロセミドのCmax及びAUCtauの単独投与時に対する幾何平均比(90%信頼区間)は1.071(0.884~1.296)及び1.062(0.950~1.187)であった22)。
(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。
薬物動態の表
表1 単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ
投与量 n Cmax
(ng/mL) Tmax
(h) t1/2
(h) AUCinf
(ng・h/mL)
1mg 6 18±4 0.75±0.27 4.35±1.05 59±11
3mg 6 54±16 0.92±0.20 10.01±2.28 245±35
10mg 6 174±14 0.92±0.20 13.34±4.99 855±168
30mg 6 524±103 1.58±1.11 12.43±5.05 2896±363
100mg 6 1392±423 2.33±1.21 11.71±2.00 9696±2242
300mg 5 3421±690 2.60±1.34 10.34±1.59 27299±4622
(平均値±標準偏差)
表2 本剤50mg単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ
投与量 Cmax
(ng/mL) Tmax
(h) t1/2
(h) AUCinf
(ng・h/mL)
50mg 1045±348 1.43±1.86 14.97±4.58 4821±1558
(平均値±標準偏差、n=8)
臨床成績
いずれの試験もLOCF(Last observation carried forward)法を適用した。
1. 単独療法
(1) 第II相二重盲検比較試験23)
食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤(12.5、25、50、100mg)又はプラセボを1日1回12週間投与した。本剤12.5~100mg/日のいずれの用量においてもプラセボに比べ有意なHbA1c値(NGSP値)の低下が確認された(P<0.001)。低血糖症状の副作用発現率は本剤100mgで1.4%(72例中1例)、本剤12.5mg、25mg、50mg、プラセボは0%(74例、74例、72例、69例中0例)であった。(「臨床成績の表」表3参照)
(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。
(2) 第III相二重盲検比較試験24)
食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回16週間投与した。本剤50mgはプラセボに対して、有意なHbA1c値(NGSP値)の低下が確認された(P<0.001)。低血糖症状の副作用発現率は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ0%(62例中0例)及び0%(67例中0例)であった。(「臨床成績の表」表4参照)
(3) 長期投与試験(24週)25)
食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(174例)を対象に、本剤50mgを1日1回24週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースライン(7.65±0.663%)からの変化量は-0.32±0.671%であり、安定した血糖コントロールが得られた。低血糖症状の副作用発現率は1.7%(174例中3例)であった。
(4) 長期投与試験(52週)26)
食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(182例)を対象に、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回52週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースライン(7.93±0.791%)からの変化量は-0.51±0.806%であり、安定した血糖コントロールが得られた。また、朝食前及び朝食後投与における検討において、食前・食後の投与による効果に影響はみられなかった。低血糖症状の副作用発現率は1.1%(182例中2例)であった。
2. 併用療法
(1) メトホルミン27)、ピオグリタゾン28)、スルホニルウレア剤29)との併用試験
1) 二重盲検比較試験
食事療法、運動療法に加えてメトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回24週間投与した。本剤50mgの併用投与はメトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤の各単独投与に対して、有意なHbA1c値(NGSP値)の低下が確認された(P<0.001)。併用療法