2. 腎盂腎炎(0.1%)
腎盂腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
血液及びリンパ系障害
1%未満
貧血
眼障害
1%未満
糖尿病網膜症
胃腸障害
1~5%未満
便秘
胃腸障害
1%未満
下痢、胃炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、腹部膨満
全身障害及び投与局所様態
1~5%未満
口渇、体重減少
全身障害及び投与局所様態
1%未満
空腹、倦怠感
肝胆道系障害
1%未満
肝機能異常
感染症
1~5%未満
膀胱炎、外陰部膣カンジダ症
感染症
1%未満
鼻咽頭炎
神経系障害
1%未満
糖尿病性ニューロパチー、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、感覚鈍麻
腎及び尿路障害
5%以上
頻尿
腎及び尿路障害
1~5%未満
多尿
腎及び尿路障害
1%未満
尿管結石、腎結石症
生殖系及び乳房障害
1%未満
陰部そう痒症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
1%未満
上気道の炎症
皮膚及び皮下組織障害
1%未満
湿疹、発疹、蕁麻疹
血管障害
1%未満
高血圧
臨床検査
1~5%未満
尿中β2ミクログロブリン増加
臨床検査
1%未満
尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿潜血陽性、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中ケトン体陽性、血中ケトン体増加、尿中α1ミクログロブリン増加
高齢者への投与
1.
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
2.
高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがあるので、注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦等:
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、本剤の動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。]
2. 授乳婦:
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖、血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
雌雄ラットに本剤12.5、40、125、250mg/kg/日(250mg/kg/日群は雌のみで実施)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、40mg/kg/日以上の雄及び125mg/kg/日以上の雌で副腎髄質の褐色細胞腫の発生頻度増加が認められた。ラットに本剤40mg/kg/日(雄)又は125mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量(AUC24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回100mg)の約10倍又は約60倍であった。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与
1)
健康成人男性に本剤1~300mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与後1~3時間でCmaxに達し、その後速やかに消失した1)。(「薬物動態の表」表1参照)
(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。
2)
2型糖尿病患者(8例)に、本剤50mgを食前単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下図及び下表のとおりである2)。(「薬物動態の表」表2参照)
(2) 反復投与
2型糖尿病患者(各群9例)に本剤50又は100mgを1日1回14日間食前反復経口投与したとき、最終投与後のCmaxは1225及び2030ng/mL、AUC24hは4808及び9213ng・h/mLであった3)。
(3) 食事の影響
健康成人男性(30例)に本剤50mgを空腹時、食前又は食後単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食前投与のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は1.23(1.14~1.33)及び1.04(1.01~1.07)、空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は0.82(0.76~0.89)及び1.00(0.97~1.03)であった4)。
2. 吸収(外国人データ)
健康成人男女(14例)に本剤25mgを空腹時1時間持続静脈内投与又は100mgを空腹時単回経口投与したとき、イプラグリフロジンの絶対バイオアベイラビリティは90.2%と高く、本剤の吸収は良好と考えられた5)。
3. 分布
イプラグリフロジンの血漿蛋白結合率は94.6%~96.5%であり、主要結合蛋白質はアルブミンであった(in vitro試験)6)7)。
4. 代謝
イプラグリフロジンは主にグルクロン酸抱合代謝を受け、ヒト血漿中には4種のグルクロン酸抱合代謝物が認められた8)。また、1種の硫酸抱合代謝物が少量認められた。イプラグリフロジンの主代謝酵素はUGT2B7であり、UGT2B4、UGT1A8及びUGT1A9も寄与することが示された(in vitro試験)9)。
イプラグリフロジンの各種CYP及びUGT分子種に対する阻害作用は弱く、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用もほとんど示さなかった(in vitro試験)10)~12)。
5. 排泄
イプラグリフロジンはP-gpの基質であった(in vitro試験)13)。
健康成人男性に本剤1~300mgを空腹時単回経口投与したとき、未変化体の尿中排泄率は約1%であった1)。
外国人健康成人男性(6例)に14C-イプラグリ