シンの排泄が阻害され、血中濃度が上昇することが考えられている。
3. 薬剤名等シメチジン
臨床症状・措置方法
他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が増強することが報告されている。
機序・危険因子
シメチジンがカルシウム拮抗剤の肝での代謝を抑制すること、又は、シメチジンが胃酸分泌を抑制して消化管のpHを上昇させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させることが考えられている。
4. 薬剤名等リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある。
機序・危険因子
リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進することが考えられている。
5. 薬剤名等グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。
機序・危険因子
グレープフルーツ中の成分が、本剤の肝薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害することが考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までの調査では865例中129例(14.9%)に、市販後の使用成績調査(再審査終了時点)では11,170例中329例(2.9%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
重大な副作用
(いずれも0.1%未満)
(1)
過度の血圧低下による一過性の意識消失、脳梗塞等があらわれることがある。(「高齢者への投与」の項参照)
(2)
無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(3)
心室性期外収縮、上室性期外収縮があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(4)
紅皮症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
肝臓注2)
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇
肝臓注2)
0.1%未満
ビリルビンの上昇
腎臓注2)
0.1~5%未満
BUN、クレアチニンの上昇
血液
0.1%未満
好酸球増多
過敏症注3)
0.1~5%未満
発疹、そう痒
過敏症注3)
0.1%未満
光線過敏症
口腔注3)
0.1%未満
歯肉肥厚
循環器
0.1~5%未満
顔のほてり、顔面潮紅、熱感、動悸、頻脈
循環器
0.1%未満
結膜充血、胸部痛
精神神経系
0.1~5%未満
めまい、立ちくらみ、頭痛、頭重感
精神神経系
0.1%未満
しびれ感、不眠、眠気、パーキンソン様症状の増悪又は顕性化
消化器
0.1~5%未満
悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、便秘、口渇
消化器
0.1%未満
下痢、味覚異常、口内炎
筋・骨格系
0.1%未満
筋肉痛、肩こり、筋痙攣、CK(CPK)の上昇
その他
0.1~5%未満
全身けん怠感、脱力感、浮腫、頻尿、血清総コレステロール、尿酸、トリグリセライドの上昇
その他
0.1%未満
乳び腹水(腎不全患者に投与した場合)注3)、女性化乳房注3)、息切れ、咳、発汗、血清カリウム低下
その他の副作用の注意
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3)このような場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物試験(ラット)で妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている。1)]
2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。
[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。2)]
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患者の透析排液が白濁することがあり、透析排液中にトリグリセライド等脂質の増加が認められたとの報告がある。腹膜炎等との鑑別に留意すること。
薬物動態
1.
血中濃度3~5)
腎機能正常の本態性高血圧症患者(7例)に1回20mgを朝食後に経口投与した場合、血中にはマニジピン塩酸塩の未変化体及び非活性の代謝物が検出される。未変化体の血中濃度は図及び表1のとおりである。
また、腎機能障害患者10例に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合においても、血中濃度推移は腎機能正常の本態性高血圧症患者の場合とほぼ同様である。
2.
尿中排泄3~5)
腎機能正常の本態性高血圧症患者(14例)及び腎機能障害患者(10例)に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合、尿中にはマニジピン塩酸塩の未変化体は検出されず、すべて代謝物であり、投与後24時間までのピリジン骨格を有する代謝物の尿中排泄率は合計で2~5%である。
表1 1回20mg経口投与時の未変化体の血中濃度
Tmax 3.6±1.4h
Cmax 7.1±3.5ng/mL
T1/2α 1.52±0.27h
T1/2β 7.25±2.32h
AUC 42.9±