、4参照)
2. 組織内移行
患者喀痰中8)、胸水中9)、胆汁中10)等への体液中移行、扁桃組織11)、胆嚢組織10)、子宮組織12)、骨組織13)等への組織内移行は良好である。
3. 乳汁中移行
授乳婦20例に2g静注したときの母乳中濃度は静注後2時間目1.3±0.9μg/mL、3時間目1.5±0.2μg/mL、4時間目1.2±1.0μg/mLであった14)。
4. 代謝
尿中には抗菌代謝物質は認められていない15)。
5. 排泄
主として腎臓より排泄され、健康成人に点滴静注、静注あるいは筋注したときの尿中排泄率はそれぞれ88.7%(1g30分点滴:投与後8時間まで)2)、88.2%(2g1時間点滴:投与後7時間まで)3)、91.3%(1g静注:投与後8時間まで)4)、88.9%(0.5g筋注:投与後6時間まで)5)と良好である。
薬物動態の表
表1 500mg静注時の血清中濃度半減期及び尿中回収量
腎機能 GFR(mL/min) 例数 t1/2(h) 尿中回収量(9h)
正常 - 3 1.6 420.8mg
中等度障害 28~75 3 2.7 166.7mg
高度障害 7.3~20 3 14.9 50.2mg
表2 低出生体重児(≦2,500g)(μg/mL)
日齢 例数 30分 1時間 2時間 4時間 6時間
≦3日 5 97 89.2 78 58.7 44.7
4~7日 8 99.0 97.8 83 56.8 40.2
≧8日 7 100.5 91.4 67.9 47.5 31.8
表3 新生児(μg/mL)
日齢 例数 30分 1時間 2時間 4時間 6時間
≦3日 14 122.4 119 101.2 79.1 58
4~7日 2 93 85 70 34 20
≧8日 3 95.5 79.3 54.8 29.7 17.8
表4 乳児、幼児、学童(μg/mL)
例数 15分 30分 1時間 2時間 4時間 6時間
乳児 5 - 90.4 75.2 54.3 28.1 16.5
幼児 4 131 114 81.3 38.9 11.4 7.4
学童 4 160.8 120.5 79.1 51.8 18.8 9.5
臨床成績
本剤での臨床試験は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を以下に示す。
比較試験(呼吸器感染症16)、尿路感染症17))及び一般臨床試験18)(静注、点滴静注、筋注を含む)における疾患別有効率は以下のとおりである。
臨床成績の表
適応疾患別臨床効果
疾患名 有効例/症例数 有効率(%)
敗血症 6/9 66.7
感染性心内膜炎 3/5 60.0
皮膚感染症:表在性皮膚感染症(毛嚢炎) 2/5 40.0
皮膚感染症:深在性皮膚感染症(ひょう疽、せつ、カルブンケル、丹毒、フレグモーネ等) 64/78 82.1
皮膚感染症:リンパ管・リンパ節炎 15/22 68.2
皮膚感染症:慢性膿皮症(粉瘤、膿瘍) 13/19 68.4
外科・整形外科領域感染症:外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 26/33 78.8
外科・整形外科領域感染症:びらん・潰瘍の二次感染(潰瘍、褥瘡) 2/3 -
外科・整形外科領域感染症:乳腺炎 9/11 81.8
外科・整形外科領域感染症:骨髄炎 6/6 100
外科・整形外科領域感染症:関節炎 3/3 -
呼吸器感染症:咽頭・喉頭炎 8/11 72.7
呼吸器感染症:扁桃炎 46/48 95.8
呼吸器感染症:急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染(慢性気管支炎、気管支拡張症、慢性呼吸器疾患の二次感染) 73/89 82.0
呼吸器感染症:肺炎 163/194 84.0
呼吸器感染症:肺膿瘍 14/22 63.6
呼吸器感染症:膿胸 9/13 69.2
腎盂腎炎 105/149 70.5
腹膜炎(腹膜炎、骨盤腹膜炎) 35/43 81.4
胆嚢炎、胆管炎 48/55 87.3
婦人科感染症:バルトリン腺炎 2/2 -
婦人科感染症:子宮内感染(子宮内感染、子宮頸管炎、子宮内膜炎) 29/39 74.4
婦人科感染症:子宮旁結合織炎 6/13 46.2
全眼球炎