用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
(3)
本剤は湿度の影響を受けやすいため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
その他の注意
ラットのがん原性試験(24ヶ月間混餌投与)において、2mg/kg/日以上の投与量で網膜変性の増加が報告されている。ただし、ヒトにおいて本剤を含む抗パーキンソン剤と網膜変性との関連性は認められなかったとの臨床試験成績が報告されている。
薬物動態
1. 血中濃度
<血漿中未変化体濃度推移>
健康成人に本剤(LA錠)0.375mg、0.75mg、1.5mgを1日1回又は速放錠(IR錠)0.125mg、0.5mgを1日3回(8-8-8時間間隔)5日間食後反復経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移を次図で示す。LA錠は投与24時間後まで、IR錠は投与8時間後までの推移を検討した。LA錠投与時の血漿中濃度推移曲線は用量間で形状が類似しており、また、用量依存的な曝露の増加が認められた。同一の1日用量のIR錠投与後の結果と比較すると、LA錠投与後のtmax,ssは遅く、Cmax,ssはやや高く、Cmin,ssはやや低かった。定常状態のAUC0-24及びAe0-24の統計的評価において両製剤の曝露量は生物学的に同等であると判断された3)。
健康成人にLA錠又はIR錠反復経口投与時の血漿中濃度推移
(平均値±S.D.,n=24)
レボドパ併用パーキンソン病患者にLA錠0.375mg~4.5mg/日又はIR錠0.25mg~4.5mg/日を食後反復経口投与したときの定常状態におけるトラフ時の血漿中未変化体濃度を次図で示す。LA錠投与後の血漿中濃度は用量依存的に上昇した。同一の1日用量のLA錠又はIR錠を投与したとき(1.5mg、3.0mg、4.5mg/日)の定常状態におけるトラフ時の血漿中濃度は、ほぼ同程度であった4)。
レボドパ併用パーキンソン病患者にLA錠又はIR錠反復経口投与時の血漿中トラフ濃度
(平均値±S.D.,LA錠 n=57/5/62/13/43/8/24、IR錠 n=2/54/3/65/9/47/5/4/30)
<母集団薬物動態解析>
日本人を含む早期パーキンソン病患者を対象とした国際共同試験から得られたデータ(146例)を用いて母集団薬物動態解析を行った。この結果から、クレアチニンクリアランス及び体重が薬物動態に影響を与える因子であることが示された。クレアチニンクリアランスが80mL/minから30mL/minに低下すると経口クリアランスは約53%低下するという結果が得られた5)。
<食事の影響>
日本人健康成人を対象として実施したLA錠0.375mgとLA錠1.5mgの生物学的同等性試験において、定常状態におけるLA錠1.5mgに対する食事の影響を検討した。その結果、AUC及びCmaxに関して、食事の影響は認められなかった。tmaxは食後投与で6時間、空腹時投与後で4時間であった6)。
2. 分布、代謝、排泄
(1) 分布(血清蛋白結合率)
ヒト血清蛋白結合率は17~26%であった(in vitro)7)。
(2) 代謝、排泄
健康成人に14C-プラミペキソール塩酸塩水和物0.3mgを経口投与したとき、血漿中及び尿中には大部分が未変化体として存在する。また、投与後96時間までに87.6%が尿中に、1.6%が糞中に排泄された。本剤は尿中排泄が主排泄経路と考えられた(外国人のデータ)8)。
臨床成績
パーキンソン病患者を対象に、UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)PartII(日常生活動作)及びPartIII(運動能力検査)を評価項目として実施した二重盲検比較試験の結果、本剤(LA錠)の有効性が認められた。
(1) 日本人を含む国際共同試験成績
早期パーキンソン病患者523例(うち日本人81例、最大解析対象集団)を対象とした国際共同二重盲検比較試験において、LA錠はプラセボと比較しUPDRS PartII+PartIII合計スコアを有意に改善した。また、LA錠のスコアの改善は速放錠(IR錠)に比較し劣らないことが示された。また、日本人集団でも全体の成績と比較して一貫性がみられた9)。
国際共同二重盲検比較試験成績(UPDRS PartII+PartIII合計スコアのベースラインからの変化量)
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PPX-LA
症例数:213
ベースライン(SD):30.0(13.1)
33週後平均値(SD):20.4(13.0)
変化量の調整平均b):-8.6
vs PLAC優越性:p=0.0001
vs PPX-IR非劣性c)[95%CI]:[-1.7~2.2]
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PPX-IR
症例数:207
ベースライン(SD):28.9(11.9)
33週後平均値(SD):19.4(11.6)
変化量の調整平均b):-8.8
vs PLAC優越性:p<0.0001
vs PPX-IR非劣性c)[95%CI]:-
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PLAC
症例数:103
ベースライン(SD):29.0(15.0)
33週後平均値(SD):24.6(15.3)
変化量の調整平均b):-3.8
vs PLAC優越性:-
vs PPX-IR非劣性c)[95%CI]:-
日本人集団における試験成績(UPDRS PartII+PartIII合計スコアのベースラインからの変化量)
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PPX-LA
症例数:35
ベースライン(SD):28.5(13.3)
33週後平均値(SD):15.8(13.1)
変化量の調整平均b):-12.5
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PPX-IR
症例数:32
ベースライン(SD):29.1(9.9)
33週後平均値(SD):18.8(10.9)
変化量の調整平均b):-9.8
投与対象:早期パーキンソン病患者/レボドパ非併用
投与群a):PLAC
症例数:14
ベースライン(SD):21.3(7.9)
33週後平均値(SD):16.1(8.5)
変化量の調整平均b):-6.9
a)投与群PPX-LA:プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠、PPX-IR:プラミペキソール塩酸塩水和物速放錠、PLAC:プラセボ
b)調整平均、95%信頼区間、群間検定は投与群と実施国