また、本剤は主に尿中に未変化体として排泄される。(「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「副作用」、「薬物動態」の項参照)]
3.
重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者
[副作用が発現しやすくなるおそれがある。(「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)]
4.
低血圧症の患者
[症状が悪化することがある。(「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)]
5.
高齢者
[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
[「警告」、「副作用」の項参照]
2.
特に投与初期には、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行うこと。また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
[「副作用」の項参照]
3.
本剤を他の抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)と併用した場合、ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。これらの副作用があらわれた場合には、他の抗パーキンソン剤又は本剤を減量又は投与を中止するとともに、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮すること。
[「相互作用」、「副作用」の項参照]
4.
本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがあるので、減量・中止が必要な場合は漸減すること。
[「副作用」の項参照]
5.
**レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
6.
本剤の有効成分は、速放錠である「ビ・シフロール錠0.125mg、同0.5mg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。また、「ビ・シフロール錠0.125mg、同0.5mg」から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察すること。
[「臨床成績」の項参照]
相互作用
本剤は、肝薬物代謝酵素チトクロームP-450による代謝をほとんど受けず、主に尿中に未変化体のまま排泄される。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤(シメチジン、アマンタジン塩酸塩)
臨床症状・措置方法
ジスキネジア、幻覚等の副作用が増強することがある。このような場合には、本剤を減量すること。
機序・危険因子
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある1),2)。
薬剤名等
鎮静剤
アルコール
臨床症状・措置方法
作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる。
薬剤名等
ドパミン拮抗剤(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
薬剤名等
抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)
臨床症状・措置方法
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。
機序・危険因子
相互に作用が増強することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
レボドパ非併用パーキンソン病患者を対象とした国際共同試験(日本人83例を含む総症例539例)において、223例に本剤が投与された。223例中、副作用が報告された症例は141例(63.2%)であった。主な副作用は、傾眠76例(34.1%)、悪心42例(18.8%)、浮動性めまい18例(8.1%)、便秘15例(6.7%)、口内乾燥12例(5.4%)であった。また、日本人集団では、35例に本剤が投与され、副作用が報告された症例は21例(60.0%)であった。主な副作用は、傾眠15例(42.9%)、悪心7例(20.0%)、便秘4例(11.4%)であった。
レボドパ併用パーキンソン病患者を対象とした国内臨床試験(総症例112例)では、56例に本剤が投与された。56例中、副作用が報告された症例は34例(60.7%)であった。主な副作用は、傾眠13例(23.2%)、ジスキネジア6例(10.7%)、幻視6例(10.7%)、悪心6例(10.7%)、食欲不振3例(5.4%)、浮動性めまい3例(5.4%)、起立性低血圧3例(5.4%)であった。(承認申請時)
重大な副作用
1. 突発的睡眠(0.1~5%未満)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
2. 幻覚(7.2%)、妄想、せん妄、錯乱(0.1~5%未満)、激越(頻度不明注))
幻覚(主に幻視)、妄想、せん妄、錯乱、激越があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。
3. *抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
4. 悪性症候群(頻度不明注))
本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意