n;12.92
拡張期血圧 ベースライン 95.08±4.82 99.83±8.47 96.75±5.79 97.42±7.15
拡張期血圧 最終評価時 80.68±8.04 82.30±8.89 84.84±7.68 81.92±8.47
拡張期血圧 変化量 -14.40±7.94 -17.53±9.12 -11.91±5.65 -15.51±8.47
単位:mmHg(平均値±標準偏差)
対象:イルベサルタン100mg、アムロジピン5mg又は10mgを5~8週間投与後に収縮期血圧140mmHg以上かつ拡張期血圧90mmHg以上であった本態性高血圧症患者
全体の集計にはAML10mg不十分例で最終投与量が100mg/5mgの患者2例を含む
IRB:イルベサルタン、AML:アムロジピン
薬効薬理
1. 作用機序
イルベサルタンとして、以下の報告がある。
in vitro試験においてウサギ摘出大動脈のアンジオテンシンII (AII)誘発収縮を特異的に抑制し、in vivo試験(ラット、イヌ、サル)においてもAII誘発昇圧反応に対して抑制作用を示した。in vitro結合試験から、その抑制作用はAII 受容体に対する競合的拮抗に基づくものであり、更にAIIタイプ1受容体(AT1受容体)選択的であることが示唆された。その他の受容体には親和性を示さず、アンジオテンシン変換酵素も阻害しなかった19-24) 。
アムロジピンとして、以下の報告がある。
細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる25)。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し25)、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている。
2. 降圧作用
高血圧自然発症ラットにイルベサルタンとアムロジピンを併用して投与すると、それぞれの単独投与と比較して降圧作用の増強が認められた26)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
イルベサルタン(Irbesartan)
化学名
2-Butyl-3-{4-[2-(1H-tetrazol-5-yl)phenyl]benzyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one
構造式
分子式
C25H28N6O
分子量
428.53
性状
白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
182.4-184.6℃
分配係数
約10.1(pH7.4、1-オクタノール/緩衝液)
一般名
アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
化学名
3-Ethyl 5-methyl(4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl- 1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
構造式
分子式
C20H25ClN2O5・C6H6O3S
分子量
567.05
性状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融点
約198℃(分解)
取扱い上の注意
使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。
包装
アイミクス配合錠LD:
[PTP]100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、700錠(14錠×50)
[バラ]500錠
アイミクス配合錠HD:
[PTP]100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、700錠(14錠×50)
[バラ]500錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
堀本政夫ほか:応用薬理, 42(2):167, 1991
2)
Laine K. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 43:29, 1997
3)
大日本住友製薬資料:健康成人における生物学的同等性試験
4)
大日本住友製薬資料:食事による薬物動態への影響
5)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンとアムロジピンの併用単回投与時における薬物相互作用試験
6)
大日本住友製薬資料:腎機能障害患者におけるイルベサルタンの薬物動態試験
7)
大日本住友製薬資料:肝硬変患者におけるイルベサルタンの薬物動態試験
8)
足立幸彦ほか:薬理と治療, 19(7):2923, 1991
9)
大日本住友製薬資料:高齢者におけるイルベサルタンの薬物動態試験
10)
桑島巌ほか:老年医学, 29(6):899, 1991
11)
大日本住友製薬資料:ヒト肝ミクロソームを用いたイルベサルタンの酸化代謝におけるCYP2C9の関与
12)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのグルクロン酸抱合の種差
13)
大日本住友製薬資料:ヒト肝ミクロソームを用いたイルベサルタンのCYP阻害の検討
14)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのバイオアベイラビリティ試験
15)
中島光好ほか:臨床医薬, 7(7):1407, 1991
16)
Beresford A. P. et al.:Xenobiotica, 18(2):245, 1988
17)
島田和幸ほか:血圧, 18(12):1231, 2011
18)
*島田和幸ほか:血圧, 19(11):1022, 2012
19)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのウサギ摘出大動脈における作用
20)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのAII誘発昇圧反応に対する作用
21)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのAII受容体に対する拮抗様式の検討
22)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンのAII受容体サブタイプに対する選択性
23)
大日本住友製薬資料:イルベサルタンの各種受容体及びイオン輸送系に対する作用