以上)は、63.6%(126/198)であった。
(2) 蕁麻疹9~12)
慢性蕁麻疹を対象とした臨床試験(プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験は除く)の最終全般改善度(中等度改善以上)は、76.4%(191/250)であった。
また、プラセボを対照薬とした慢性蕁麻疹の二重盲検比較試験において、本剤はプラセボと比較しそう痒及び発斑の症状スコアを有意に減少させた。
(3) 皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症)13)
湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症を対象とした一般臨床試験の最終全般改善度(中等度改善以上)は、全体で64.7%(119/184)で、疾患群別では湿疹・皮膚炎群63.1%(65/103)、痒疹群73.2%(30/41)、皮膚そう痒症60.0%(24/40)であった。
2. *眠気及び精神運動能に対する影響12,24)〔普通錠〕
(1)
*プラセボを対照薬とした慢性蕁麻疹の二重盲検群間比較試験において、本剤投与群〔20mg/日〕(55例)の眠気の副作用発現頻度は、プラセボ投与群(54例)と同程度であった。
(2)
*健康成人男子を対象に連続加算テストによる精神運動機能に及ぼす影響を検討した結果、本剤投与群の正答数の変化率はプラセボ投与群と有意差がなく、精神運動機能に対する影響は認められなかった。
薬効薬理
1. ヒスタミンH1受容体拮抗作用14~16)
(1)
ベポタスチンベシル酸塩はH1受容体に対して選択的親和性を示し、5-HT2、α1、α2、muscarinic受容体等に対しては親和性を示さなかった。
(2)
ベポタスチンベシル酸塩はヒスタミンによる皮膚血管透過性亢進(ラット、モルモット)を経口投与で抑制し、in vitroにおいてはヒスタミンによるモルモットの摘出平滑筋(気管支、回腸)の収縮を濃度依存的に抑制する。
2. I型アレルギー反応抑制作用15~18)
(1)
ベポタスチンベシル酸塩は経口投与により受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応(ラット、モルモット)、アナフィラキシー性ショック(モルモット)ならびに抗原により誘発される気道収縮(モルモット)を抑制する。
(2)
ベポタスチンベシル酸塩は経口投与により実験的アレルギー性鼻炎モデル(モルモット)における鼻腔抵抗の上昇ならびに抗原により誘発される鼻粘膜の血管透過性亢進(ラット)を抑制する。
3. 好酸球に対する作用19,20)
(1)
ベポタスチンベシル酸塩の経口投与は血小板活性化因子(PAF)(ラット、モルモット)及び抗原による(モルモット、マウス)好酸球浸潤を抑制する。
(2)
ベポタスチンベシル酸塩の経口投与は抗原により誘発される末梢血中好酸球の増多(マウス)を抑制する。
4. サイトカインの産生に対する作用21)
ベポタスチンベシル酸塩はヒト末梢血単核球におけるインターロイキン-5の産生を抑制する(in vitro)。
5. その他の作用14,22,23)
(1)
ベポタスチンベシル酸塩の中枢神経系、呼吸・循環器系、消化器系、自律神経系・平滑筋、腎機能、代謝系及び血液系の一般薬理試験において特記すべき所見は認められていない(マウス、ラット、モルモット、ウサギ及びイヌ)。
(2)
ベポタスチンベシル酸塩の眠気誘発作用(マウス、ネコ)及び催不整脈作用(イヌ、モルモット)について検討したがこれらの作用は認められなかった。
6. 臨床薬理24)
健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、ベポタスチンベシル酸塩5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後12時間においてもプラセボに比し有意に抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
○一般名
ベポタスチンベシル酸塩
(bepotastine besilate)
○化学名
(+)-(S )-4-[4-[(4-Chlorophenyl)(2-pyridyl)methoxy]piperidino]butyric acid monobenzenesulfonate
○構造式
○分子式
C21H25ClN2O3・C6H6O3S
○分子量
547.06
○性状
・ 白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
・ 酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。
・ 1gを水100mLに溶かした液のpHは約3.8である。
・ 融点:159~163℃
・ 分配係数:1.78(pH7、オクタノール/水系)
包装
タリオンOD錠5mg:
100錠(10錠×10)
タリオンOD錠10mg:
100錠(10錠×10)
500錠(10錠×50)
1,000錠(10錠×100)
主要文献及び文献請求先
主要文献
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