には、授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。〔使用経験がない。〕
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕
その他の注意
1.
本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。
2.
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、類薬の非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6~1.7倍高かったとの報告がある。なお、本剤との関連性については検討されておらず、明確ではない。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。
3.
動物実験(イヌ)で制吐作用が認められたため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化する可能性がある。
4
げっ歯類(マウス、ラット)に104週間経口投与したがん原性試験において、マウス(1mg/kg/日以上)で乳腺腫瘍、下垂体腫瘍、ラット(1mg/kg/日)で乳腺腫瘍の発生頻度の上昇が認められた。これらの所見は、プロラクチンに関連した変化として、げっ歯類ではよく知られている。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与(空腹時投与)
表1参照
(2) 単回投与(食後投与)
食後投与におけるCmax 及びAUC0-12は、空腹時投与と比較して、それぞれ2.68倍及び2.69倍上昇した。また、食後投与時のTmax及び平均滞留時間(MRT)は、空腹時投与に比べて有意に延長したが、消失速度定数(kel)に差は認められなかった。
表2参照
(3) 反復投与(食後投与)
表3参照
2. 吸収率(参考)
84%(ラット)
3. 血清蛋白結合率
99.7%以上(in vitro 、ヒト血清、10ng/mL~2μg/mL、平衡透析法)
4. 主な代謝産物及び代謝経路
主な代謝産物:
N-脱エチル体(in vivo薬理活性:未変化体の1/4.4~1/25)
7,8位の各水酸化体及びこれらのグルクロン酸抱合体
(参考)
脳内では、主として未変化体及びN-脱エチル体が認められた。(ラット、イヌ、サル)
代謝経路:
ブロナンセリンは、ピペラジン環のN-脱エチル化及びN-オキシド化、シクロオクタン環の酸化、これに続く抱合反応あるいはピペラジン環の開環など広範に代謝される。
5. 排泄経路及び排泄率
排泄経路:
尿中及び糞便中
排泄率:
健康成人(外国人)6例に14C-ブロナンセリン4mgを朝食2時間後単回投与したとき、尿中及び糞便中には、それぞれ投与放射能量の約59%及び約30%が排泄された。尿中に未変化体は認められず、主代謝物として数種類のグルクロン酸抱合体が存在した。また、糞便中には未変化体が少量(糞便中放射能量の5%未満)認められた。
6. 代謝酵素
チトクロームP-450分子種:
CYP3A4(未変化体のピペラジン環のN-脱エチル化及びシクロオクタン環の酸化)
7. 相互作用
エリスロマイシン併用時の薬物動態1)
表4参照
グレープフルーツジュース併用時の薬物動態2)
表5参照
(外国人での成績)
ケトコナゾール併用時の薬物動態
表6参照
表1 血漿中濃度 単回投与(空腹時投与)
(健康成人8例、空腹時1回投与)
投与量
(mg) Tmax
(h)a) Cmax
(ng/mL)b) t1/2
(h)b) AUClast
(ng・h/mL)b)
4 1.5(1-3) 0.14±0.04 10.7±9.4 0.91±0.34
8 1.5(0.5-2) 0.45±0.22 12.0±4.4 2.82±1.38
12 1.5(1-3) 0.76±0.44 16.2±4.9 6.34±6.34
a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差
表2 血漿中濃度 単回投与(食後投与)
(健康成人12例、2mg1回投与)
投与時期 Tmax
(h) Cmax
(ng/mL) AUC0-12
(ng・h/mL) MRT
(h) kel
(l/h)
空腹時 1.8±0.6 0.06±0.03 0.36±0.17 7.19±1.26 0.16±0.03
食後 3.8±1.7 0.14±0.07 0.83±0.38 9.63±4.04 0.15±0.05
平均値±標準偏差
表3 血漿中濃度 反復投与(食後投与)
〔健康成人10例、1回2mg 1日2回(朝・夕食後)10日間反復投与〕
Tmax
(h)a) Cmax
(ng/mL)b) t1/2
(h)b) AUC0-12
(ng・h/mL)b)
2(2-2) 0.57±0.19 67.9±27.6 3.22±1.10
a)中央値(最小値-最大値)、b)平均値±標準偏差
(注)本剤の承認された1回用量は4mgから、1日用量は通常8~16mg、最大24mgである。
表4 相互作用 エリスロマイシン併用時の薬物動態
(健康成人12例に本剤2mgを朝食後投与)
Tmax
(h)a) Cmax
(ng/mL) b) t1/2
(h)b) AUClast
(ng・h/mL) b)
単独投与時 2(1-3) 0.26±0.11 14.9±8.5 1.94±1.03
併用投与時c) 3(